Nayfach S, Roux S, Seshadri R, Udwary D, Varghese N, Schulz F, Wu D, Paez-Espino D, Chen IM, Huntemann M, Palaniappan K, Ladau J, Mukherjee S, Reddy TBK, Nielsen T, Kirton E, Faria JP, Edirisinghe JN, Henry CS, Jungbluth SP, Chivian D, Dehal P, Wood-Charlson EM, Arkin AP, Tringe SG, Visel A; IMG/M Data Consortium, Woyke T, Mouncey NJ, Ivanova NN, Kyrpides NC, Eloe-Fadrosh EA.
Nat Biotechnol. 2020 Nov 9.
doi: 10.1038/s41587-020-0718-6.
膨大な数の多様な微生物はこれまでのところ培養が困難であり、培養に依存しない分子レベルのアプローチによってのみアクセス可能である。Genome-resolved metagenomics は、微生物集団から複合ゲノムを再構成することを可能にするアプローチであり、最初は複雑性の低い酸性鉱山排水群集に適用された。このアプローチは、計算手法と配列決定技術の進歩により、現在では海洋、牛のルーメン、ヒトのマイクロバイオーム、深部地下、帯水層など、多くの環境に適用されている。 これらの研究は、未培養の細菌や古細菌の進化的関係や代謝特性に関する実質的な洞察につながっている。
微生物系統樹を拡大するだけでなく、未培養な細菌と古細菌の包括的なゲノムカタログは、大規模な比較ゲノミクス、遺伝子や機能のマイニング、システム生物学的アプローチを可能にするゲノムスケールの代謝モデルの構築を可能にする機会を提供する。さらに最近の未培養の細菌や古細菌のゲノム再構築により、真核生物の進化の軌跡や先祖代々の微生物の形質に関するユニークな知見が得られている。
本研究では、大規模 genome-resolved metagenomics を適用して、52,515個の中・高品質メタゲノムアセンブルゲノムを回収し、Genomes from Earth’s Microbiomes (GEM)カタログを作成した。このGEMカタログは、多様な微生物の生息地や地理的な場所から採取された10,450のメタゲノムから構成されている。これらのゲノムは、12,556個の新規候補種レベルの操作的分類単位(operational taxonomic unit: OTU)を表しており、未培養の細菌や古細菌の幅広い系統と機能の多様性を捉えたリソースとなっている。このリソースの価値を実証するために、GEMカタログを使用して、地球全体のバイオームのメタゲノムリードのリクルート、新規生合成能力の同定、代謝モデリング、宿主とウイルスの関係予測を行った。
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