Prophages and Growth Dynamics Confound Experimental Results with Antibiotic-Tolerant Persister Cells

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Harms A, Fino C, Sørensen MA, Semsey S, Gerdes K.

mBio. 2017 Dec 12;8(6):e01964-17.

doi: 10.1128/mBio.01964-17. PMID: 29233898; PMCID: PMC5727415.

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 パーシスターは、遺伝的には抗生物質に感受性のある細菌の集団の中に形成される、抗生物質に耐性のある細胞の亜集団である。パーシスター細胞は通常、ゆっくりと増殖するか、あるいは増殖しない。この分野の研究者たちは、パーシスターの抗生物質耐性は、抗生物質が作用する細胞プロセスが不活性である休眠状態と関連しているという点でほぼコンセンサスを得ている。複数の研究室により、大腸菌Escherichia coli のパーシスター細胞の形成を制御して休眠状態へ変換できる、遺伝的経路が明らかになっている。これらのメカニズムには、細胞内のATPレベルの低下、ヌクレオイド関連タンパク質の調節、代謝フラックスの変化、薬剤排出ポンプの高発現、あるいはさまざまな毒素-抗毒素(toxin-antitoxin: TA)モジュールの活性化などが含まれる。このように大腸菌では、様々な経路が並行して部分的に連携しているため、その結果異なる抗生物質耐性プロファイルを示す、多様なパーシスター集団が形成されていることがわかってきた。

 細菌のパーシスター形成は複雑であり、かつわずかな実験的変動にも影響を受けやすいことから、この分野では細菌のpersistenceを研究する際の技術的および生物学的側面に関する議論が盛んに行われている。私たちの研究室は、大腸菌におけるパーシスター形成を、セカンドメッセンジャー(p)ppGpp、ポリリン酸、プロテアーゼLonの制御下にある10個のmRNAエンドヌクレアーゼ毒素TAモジュールの活性化と関連付ける一連の研究を発表した。同様の知見は、例えばSalmonella enterica serovar Typhimuriumにおいても得られているが、我々のモデルは、この分野の他の研究者からは懐疑的な見方をされている。そこで本研究では、これまでの結論とその基礎となる方法論を慎重に再検討し、この分野の研究間で頻繁に観察される矛盾の原因を探るために、共通の実験手順を調べた。

 その結果、以前の研究で使用した大腸菌の変異株には複数の異なる溶解性バクテリオファージが感染しており、プロファージがpersistenceの測定に強く影響していることがわかった。野生株であるE. coli K-12 MG1655には、既にプロファージが常駐しており、一般的な条件下でのパーシスターアッセイの結果を歪めていることも明らかにした。さらに、パーシスターレベルを1つの増殖時点でのみ測定するという一般的な方法は、変異株における増殖とパーシスター形成のダイナミクスの変化を考慮するには不適切な場合が多いことを示した。私たちは、新しい変異株と洗練された方法論を用いて、以前に提案したパーシスター形成モデルの主要な構成要素を最終的に検証しました。その結果、(p)ppGpp、ポリリン酸、Lonが細菌のパーシスター形成や生存に関与していることは確認できたが、TAモジュールの関与やこれらの構成要素がストレスのない状態でのパーシスター形成に関係していることを示す強力な証拠は得られなかった。

 

 

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